ウゴービ(Wegovy)は、日本で2023年3月に承認され、2024年2月22日から保険適用が開始される肥満治療薬です。保険適用でウゴービを処方するには、厳密な条件を満たす必要があります。
この記事では、ウゴービの保険適用条件と栄養指導、最大投与期間について詳しく解説します。
ウゴービの保険適用条件
1. 対象患者
ウゴービは以下のいずれかの条件を満たす患者が対象となります:
- BMIが35kg/m²以上
- BMIが27kg/m²以上35kg/m²未満かつ、以下の肥満関連疾患のうち2つ以上を有する場合:
- 耐糖能障害(2型糖尿病、耐糖能異常)
- 脂質異常症(高脂血症)
- 高血圧症
- 高尿酸血症
- 非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)
- 閉塞性睡眠時無呼吸症候群
- 月経異常または女性不妊
2. 栄養指導および生活習慣改善の実施
ウゴービの保険適用には、以下のような生活習慣改善を実施しても効果が不十分であることが条件となります:
- 食事療法
- 運動療法
- 行動療法
これらの取り組みを十分に実施したにも関わらず、効果が得られない場合に限り、ウゴービの使用が適切とされます。
※保険診療ではダイエット目的での利用はできません。ウゴービをダイエット目的として利用したい場合、医師管理のもと自由診療での対応となります。
栄養指導の要件
栄養指導が必要な期間
ウゴービの処方にあたっては、栄養指導が必須です。指導期間は以下の通りです:
- 処方開始前
- 期間:食事療法と運動療法を少なくとも6か月間実施。
- 目的:生活習慣の改善を支援し、薬物療法の適応可否を判断するため。
- 処方開始後
- 頻度:2か月に1回以上の頻度で管理栄養士による栄養指導を実施。
- 目的:治療進捗の確認と、薬物療法の効果を最大化するため。
栄養指導の内容
栄養指導は医師や管理栄養士が担当し、以下の内容が含まれます:
- エネルギー摂取の調整 適切なカロリー設定を行い、過剰摂取を防ぎます。
- 栄養バランスの改善 必要な栄養素をバランスよく摂取するための食事プランを提供。
- 行動療法の指導 食事記録や生活リズムの改善を支援。
- 身体活動の推奨 運動療法を取り入れ、総合的な体重管理をサポート。
投与の継続・中止について
最大投与期間
ウゴービの投与期間は以下の基準が設けられています:
- 最大投与期間:
- 「日本人を対象とした臨床試験において、本剤の68週間を超える使用経験はない」ことから、最大68週間までの使用が推奨されています。
継続および中止基準
- 治療計画の作成:
- 投与開始前に治療計画を作成し、68週間後までに投与を中止できるよう適切な指導を実施すること。
- 定期的な評価:
- 毎月、体重、血糖、血圧、脂質を確認する。
- 初期投与後3~4か月間で改善傾向が見られない場合には投与を中止。
- 減量効果が認められた場合:
- 継続して2~3か月に1回、体重や血糖値などを評価し、効果が不十分と判断された場合には中止を検討する。
ウゴービ治療の流れ
- BMIや肥満関連疾患の確認、栄養指導の開始。
- 定期的な栄養指導と運動療法の実施。
- 効果の評価。
- 週1回の注射を開始し、継続的なフォローアップ。
- 定期的に効果を確認し、必要に応じて計画を見直します。
- 最大68週間の治療を実施するかどうかを医師が判断。
まとめ
ウゴービ(Wegovy)は、保険適用条件を満たした肥満症患者にとって、効果的な治療薬です。ただし、栄養指導や生活習慣改善が不可欠であり、これらを適切に実施することが治療成功の鍵となります。また、治療期間には最大68週間という制限があり、治療の継続可否は効果を見ながら慎重に判断されます。
治療を検討する際は、医師や管理栄養士と十分に相談し、適切な治療計画を立てることが大切です。
ウゴービと適切な栄養指導で、健康的な未来を手に入れましょう!
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