監修:小林 正敬(こばやし まさたか)|まさぼ内科・糖尿病クリニック飯田橋院 代表理事兼院長。日本糖尿病学会 糖尿病専門医・日本内科学会 総合内科専門医。 最終更新:2026年7月3日
先に要点だけ:マンジャロの注入器「アテオス」は、針の取り付けも空打ちも要らない1回使い切りタイプ。グレーのキャップを外し、底面を皮膚に当ててロックを解除し、ボタンを押す——カチッという音が2回鳴れば注入完了です(最長でも10秒ほど)。打つのは週1回・同じ曜日で、食事や時間帯の決まりはありません。
処方を受けた直後の方から、外来でいちばん多く受けるのが「家で一人で打てるか不安です」という相談です。血糖コントロールの目的でも、体重やダイエットの目的でオンライン診療を受けている方でも、打ち方はまったく同じ。この記事では、添付文書とメーカー公式資料に沿って、打ち方(注射の方法)の手順から、打ち忘れたときの「72時間ルール」、冷蔵庫での保管方法、痛みや失敗への不安まで、糖尿病専門医の立場でまとめて解説します。
まず3行で 注射の方法は「キャップを外す→皮膚に当てる→ロック解除→ボタンを押す」。カチッ2回と、のぞき窓のグレーのゴム栓で完了確認。 打つのは週1回・同じ曜日。食前・食後の指定はなく、時間帯も自由です。 打ち忘れたら、次の予定日まで72時間以上あればすぐ1回分。72時間未満ならスキップ。2回分まとめては打たず、「失敗したかも」のときも追加の1本は打ちません。

1. マンジャロの打ち方・注射方法|アテオスの使い方5ステップ(針の取り付け・空打ち不要)
マンジャロ注射の方法は、ひとことで言えば「アテオスを皮膚に当てて、ボタンを押すだけ」。 インスリンのペン型注射より工程が少なく、初めての方でも数分で覚えられます。
マンジャロ注射の方法|5ステップ早見(今から打つ方はここだけ)
- 外観と使用期限を確認する
- 部位(おなか・太もも・二の腕)を決めて消毒する
- グレーのベースキャップを外す
- 透明な底面を皮膚に当ててロックを解除する
- 紫色のボタンを押し、カチッ2回で完了(最長10秒)
注入器のアテオスは1回使い切りで、1本に1回分(0.5mL)の薬液が最初から入っています。針を取り付ける作業も、薬液を混ぜる作業も、注射前の「空打ち」も不要。当てて押すだけで自動的に注入される設計です。ここからは、初めての方がそのまま真似できるように、ひとつずつ順番に見ていきます。
まずは、これから触れる各部の名前を確認しておきましょう。「紫色の注入ボタン」「ロックリング」「緑色の目印」「底面」「キャップ」——手順の説明でこの呼び方を使います。

出典:日本イーライリリー「マンジャロ皮下注アテオスを使用されている方へ」
用意するものは、冷蔵庫から出したマンジャロ本体と、消毒用のアルコール綿の2つだけ。手を洗ってから始めましょう。冷蔵庫から出してすぐに使えますが、冷たさが気になる方は数分置いてからでかまいません(室温に置ける時間の上限は第4章で説明します)。
打つ前の1分チェック
- □ 使用期限が切れていない
- □ 薬液は無色〜微黄色〜微褐色の澄んだ液(にごり・浮遊物・凍結の形跡なし)
- □ 打つ場所を前回から変えてある(おなか・太もも・二の腕)
- □ アルコール消毒が乾いた
- □ うまくいったか迷っても、追加のもう1本は打たない(のぞき窓をスマホで撮って処方医に相談)
STEP1|外観と期限を確認する 外箱から1本取り出し、使用期限を確認します。のぞき窓から見える薬液は、無色〜微黄色〜微褐色の澄んだ液体(わずかに乳白光を帯びることもあります)が正常です。にごりや浮遊物がある、凍っている・凍った形跡がある——その場合は使わず、新しいものに替えて処方元に連絡してください。
STEP2|打つ場所を決めて消毒する 注射できる部位は、おなか(腹部)・太もも(大腿部)・二の腕(上腕部)の3か所です。初回は、座ったまま目で確認しながら打てるおなかか太ももから始めると迷いません。二の腕は自分では届きにくいので、ご家族に打ってもらう場合に向きます。同じ部位に打つ場合でも、毎回少しずつ場所をずらしてください(皮膚が硬くなるのを防ぐため)。おへそのすぐ周りや、傷・あざのある場所は避けます。決めたら、アルコール綿で消毒し、乾くまで待ちます。

STEP3|グレーのベースキャップを外す 底のグレーのキャップを、まっすぐ引き抜きます。キャップを外すのは「打つ直前」。外したら元に戻さず、そのまま次の手順に進んでください。針は本体の中に収まっていて、この時点でも見えません。
STEP4|透明な底面を皮膚に当て、ロックを解除する 透明な底面を、打つ場所の皮膚にぴったりと当てます。当てたまま、ロック解除リングを解除の印まで回します。この順番がポイントで、皮膚に当ててからロックを外すと誤作動が起きにくくなります。
STEP5|紫色のボタンを押し、カチッという音2回で完了 紫色の注入ボタンを、カチッと音がするまでしっかり押します。1回目のカチッは「注入が始まった」合図。そのまま本体を皮膚から離さずに待つと、2回目のカチッが鳴ります。これが「注入が終わった」合図で、押してからここまで最長10秒ほど。のぞき窓にグレーのゴム栓(プランジャー)が見えていれば、薬液は全量入っています。本体を離して終了です。
メーカー公式の図でも、この流れをもう一度確認できます。

出典:日本イーライリリー「マンジャロ皮下注アテオスを使用されている方へ」
打ち終わりの確認は2つだけ ①2回目の「カチッ」が聞こえた ②のぞき窓にグレーのゴム栓が見えている 音は聞き逃すことがあるので、確実なのは②です。ゴム栓が見えていれば注入は完了しています。判断に迷ったら、のぞき窓をスマホで撮っておくと、相談のときの確認がスムーズです。
使い終わった注入器は、針が本体の中に収納される構造なので、むき出しの針が残ることはありません。家庭ごみとして出せるかどうかは自治体の分別ルールで異なるので、お住まいの自治体の案内をご確認ください。当院で処方を受けている方には、地域に合わせた廃棄のしかたも診察時にご案内しています。
2. マンジャロはいつ打つ?|週1回・同じ曜日なら、時間も食事も自由です
マンジャロは週1回の注射で、添付文書に食前・食後の指定はなく、朝でも夜でもかまいません。 毎日打つインスリンや、起床時の空腹で飲む薬とはここが違うところで、生活への組み込みやすさはGIP/GLP-1受容体作動薬の長所のひとつです。

決めておきたいのは曜日だけです。血中の薬の濃度を安定させるため、「毎週日曜の朝」「毎週金曜の入浴前」のように、自分の生活で忘れにくいタイミングに固定します。外来で続けられている方に聞くと、「日曜の朝、歯みがきのあと」のように毎週決まってやる行動とセットにしている方が多く、私もこの決め方をおすすめしています。スマホのリマインダーやお薬手帳アプリの通知も有効です。
| 項目 | ルール |
|---|---|
| 頻度 | 週1回(同じ曜日に固定) |
| 時間帯 | 制限なし。朝・昼・夜いつでも可 |
| 食事 | 食前・食後の指定なし |
| 曜日の変更 | 前回の注射から72時間(3日)以上空けば変更可 |
| 用量 | 週1回2.5mgで開始し、4週間後に5mgへ。効果を見ながら4週間以上の間隔で2.5mgずつ増量でき、最大15mgまで |
(スマートフォンでは表を横にスクロールできます)
曜日を変えたくなったときは、「前回の注射から72時間(3日)以上空いていること」だけ守れば大丈夫です。数えるのは日数ではなく時刻まで含めた72時間で、たとえば毎週日曜の朝に打っている方なら、水曜の朝以降であれば72時間以上空くので、そこから新しい曜日に切り替えられます。
用量のステップアップ(2.5mg→5mg→…)は、血糖や体重の変化、吐き気などの副作用の出かたを見ながら医師が判断します。「早く効果がほしいから」と自己判断で増やすのは、副作用を強く出すだけになりがちです。増量のたびに体調を確認しながら進めるのが、結局いちばん早く目標に近づく道だと外来で実感しています。
3. 打ち忘れたときの対応|血糖を乱さない「72時間ルール」
打ち忘れに気づいたら、「次の予定日まで72時間(3日)以上あるか」で対応が決まります。 添付文書のルールはこうです。
- 次の予定日まで72時間以上ある→気づいた時点で、すぐに1回分を注射する。次回からは元の曜日に戻す。
- 次の予定日まで72時間未満→その回は打たずにスキップし、次の予定日に1回分を打つ。
そしてどちらの場合も、2回分をまとめて打つことはしません。遅れを取り戻そうとして倍量を打つと、吐き気などの副作用のリスクを自分で引き上げることになります。とくにインスリンやSU薬(スルホニルウレア薬)といった血糖を下げる薬を併用している方では、低血糖にも注意が必要です。
判定のものさしは「曜日」ではなく、次に打つ予定の日時まで72時間(3日)あるかどうかです。毎週日曜の朝に打っている方を例にすると、次のようになります。
| 打ち忘れに気づいたタイミング(毎週日曜の朝に打つ例) | 次の日曜の朝まで | 対応 |
|---|---|---|
| 月曜〜水曜 | 72時間以上 | 気づいたらすぐ1回分を打ち、次からは日曜に戻す |
| 木曜 | 時刻しだいで境目 | いつも打つ時刻(この例では朝)より前なら72時間以上=すぐ打つ。過ぎていれば72時間未満=スキップ |
| 金曜・土曜 | 72時間未満 | 打たずにスキップし、日曜に1回分を打つ |
(スマートフォンでは表を横にスクロールできます)
境目にあたる日は、日数ではなく時刻で数えてください。それでも判断に迷うときは、打つ前に処方医に確認するのが確実です。

「1日忘れただけで効果が消えてしまうのでは」と心配される方もいますが、マンジャロ(チルゼパチド)の血中半減期は約5〜6日あり、1回の遅れで薬の効果が急にゼロになる設計ではありません。慌てて自己流の対応をするより、上のルールどおりに戻すほうが安全です。
打ち忘れの相談は、外来でもオンラインでも本当によくあります。月曜の診察では「昨日打つのを忘れていました」という声を毎週のように聞くくらいで、忘れること自体は珍しくありません。ただし、スキップが続いて2週間以上空いてしまった場合や、何週も連続で忘れてしまう場合は、再開の量やスケジュールを整え直したほうがよいことがあります。長く空いたあとに元の用量で再開すると吐き気が出やすくなる方もいるため、自己判断で再開せず、処方医に相談してください。当院で処方を受けている方なら、オンラインでそのままご相談いただけます。
4. マンジャロの保管方法|冷蔵2〜8℃・凍結NG・光を避ける
保管の基本は「外箱のまま、冷蔵庫の2〜8℃で、凍らせない」の3点です。 マンジャロはペプチド製剤という繊細な薬で、添付文書では凍結を避けて2〜8℃で遮光保存することと定められています。外箱が遮光の役割を果たすので、箱から出さずにしまうのがコツです。
気をつけたいのは凍結です。一度でも凍ったマンジャロは、解凍しても使えません。 冷蔵庫の奥や冷気の吹き出し口の近くは温度が下がりすぎることがあるので、吹き出し口を避けた冷蔵室内に置いてください(ドアポケットも凍結しにくい置き場所のひとつです)。
| 保管の状況 | 可否 |
|---|---|
| 冷蔵庫(2〜8℃)・外箱のまま | 基本の保管方法 |
| 冷凍庫・凍結 | 不可。凍ったものは解凍しても使用しない |
| 室温(30℃以下)・外箱のまま | やむを得ない場合、21日以内なら可 |
| 直射日光の当たる場所・夏の車内 | 不可 |
(スマートフォンでは表を横にスクロールできます)

旅行や出張のときは、この「30℃を超えない場所で、外箱のまま21日以内」という室温の許容範囲が目安になります。保冷バッグを使う場合は、保冷剤が本体に直接触れて凍結させないよう、タオルを挟むなどの工夫を。日程や行き先によって最適な持ち運び方は変わるので、予定が決まったら診察時にご相談ください。
当院の自費診療で処方したマンジャロは、薬局での受け取りではなく、当院から2〜8℃のクール便で直接ご自宅へお届けしています。処方から手元に届くまで低温のまま管理されるので、受け取ったらそのまま冷蔵庫に入れるだけ。薬局へ取りに行く手間も、持ち帰りの間の温度の心配もありません。クール便とはいえ、不在で受け取りが延びるのは避けたいところ。確実に在宅している日時を指定し、受け取ったその足で冷蔵庫へ入れてください。

打ち方だけでなく、こうした配送・保管の疑問も、診察のなかでそのまま確認できます。
▶ 糖尿病専門医によるマンジャロ オンライン診療はこちら →
5. 打つときの痛みは?|針は29Gと細く、最初から最後まで見えない構造です
針が苦手な方にこそ知ってほしいのですが、アテオスの針は29ゲージという細さで、しかも打つ前も打った後も目に入りません。 29ゲージは、健康診断の採血で使う針(21〜22ゲージが一般的)よりずっと細い規格です。針は本体の中に収まったまま、ボタンを押すと自動で刺さって注入し、終わると本体の中に戻ります。「針を見て構える」という、注射でいちばん緊張する瞬間がそもそもないわけです。
外来で初めての注射をお手伝いすると、「えっ、もう終わったんですか」という反応が圧倒的に多い——これは誇張ではなく、毎回のようにある光景です。カチッという作動音に驚く方はいますが、あれはバネの音で、痛みの強さとは関係ありません。

それでも痛みを感じやすい場面はあるので、外来でお伝えしているコツを挙げておきます。
- 消毒のアルコールが乾いてから打つ(濡れたままだとしみる感じが出やすい)
- おなかに打つときは、力を入れて腹筋を固めない。息を吐いてリラックスする
- 底面は密着していれば十分で、強く押しつけすぎない(力むほど痛みを感じやすくなります)
- 毎回場所をずらす(同じ場所への連続は痛みや皮膚の硬化のもと)
- 冷蔵庫から出した直後の冷たい薬液は冷たさを痛みと感じやすいため、打つ前に数分ほど室温に置く
打ったあとに少量の血がにじんだり、ぷくっとふくらんだりすることがありますが、清潔なガーゼやアルコール綿で軽く押さえれば十分です。揉む必要はありません。内出血で青くなっても、数日で自然に消えていきます。
6. マンジャロ注射のよくある失敗と対処|「失敗したかも」と思ったときのFAQ
先に原則をひとつだけ——「失敗したかも」と思っても、自己判断で追加のもう1本は打たないでください。 のぞき窓のゴム栓を確認し、判断がつかなければ処方医に相談する。これがすべての失敗対処に共通するルールです。そのうえで、外来やオンライン診療で実際に受けた質問に答えます。
困ったときの3原則 ①迷っても追加のもう1本は打たない ②凍った薬・にごった薬は使わない ③がまんできない腹痛や水分が取れない嘔吐・下痢は、オンラインの返信を待たず救急外来も含めて受診(詳しくはQ10)
質問は「操作の失敗(Q1〜4)」「保管の失敗(Q5〜7)」「打ち方の習慣・体調(Q8〜10)」の順に並べています。
操作の失敗
Q1. 失敗したかも——2回目の「カチッ」が聞こえませんでした。打てていますか?
のぞき窓を確認してください。グレーのゴム栓(プランジャー)が見えていれば、音を聞き逃しただけで注入は完了しています。見えない・判断がつかない場合は、追加でもう1本打つことはせず、処方医に相談してください。
Q2. アテオスが動かない——ボタンを押しても「カチッ」と鳴りません。
ロック解除リングが解除の位置まで回りきっているか、透明な底面が皮膚にしっかり当たっているかを確認してください。アテオスは誤作動防止のため、底面が皮膚に押し当てられていないと作動しない設計です。それでも動かない場合は、その1本を無理に使い続けず、処方元に連絡を。
Q3. 注入の途中で本体を離してしまいました。
まず、のぞき窓のゴム栓を確認します。全量入ったかどうか分からなくても、その週にもう1本追加で打つのは避けてください。薬が多く入りすぎるリスクのほうが問題です。状況をメモして医師に相談していただければ、次回までの対応を一緒に決めます。
Q4. 液漏れ?——打った場所から血が出て、薬が漏れた気もします。
多くの場合、清潔なガーゼやアルコール綿で軽く押さえれば止まります。皮下の細い血管に触れて少量の血がにじむことはよくあり、薬液がわずかに皮膚表面に残ることもあります。にじむ程度なら打ち直しは不要です。強く揉むのは内出血を広げるので避けてください。出血がなかなか止まらない、腫れや痛みが続くといった場合はご相談を。
保管の失敗
Q5. うっかり凍らせてしまいました。解凍すれば使えますか?
使えません。凍結したマンジャロは、見た目が元に戻っても品質が保証できず、添付文書でも凍結した場合は使用しないこととされています。もったいなくても新しいものを使い、凍った1本は処方元に伝えてください。
Q6. 薬液がにごっている・浮遊物が見える気がします。
その1本は使わないでください。正常な薬液は、無色〜微黄色〜微褐色の澄んだ液体で、わずかに乳白光を帯びることがあります。明らかなにごりや浮遊物があるものは品質に問題がある可能性があるため、使用せず処方元に連絡してください。
Q7. 冷蔵庫に入れ忘れて、丸1日室温に置いてしまいました。
30℃を超えない室内なら、外箱のまま21日以内の室温保存は認められています。丸1日程度なら多くの場合は使用できますが、真夏の閉め切った部屋や車内など30℃を超えた可能性があるときは使用を避け、医師か薬剤師に相談してください。
打ち方の習慣・体調
Q8. ずっと同じおなかの場所に打っています。まずいですか?
場所は毎回変えてください。同じ場所に打ち続けると皮膚が硬くなり、薬の吸収にも影響しえます。おなか・太もも・二の腕の3部位を回すか、同じおなかの中でも左右・上下と場所をずらすのがコツです。
Q9. 打った日の入浴やお酒、運動に決まりはありますか?
添付文書上、注射当日の入浴や運動の制限はありません。注射した場所を強くこすらない程度で普段どおりに過ごせます。お酒は、血糖の変動や吐き気につながることがあるため、量が多い方は治療中の飲み方を診察時にご相談ください。
Q10. 打ったあと、強い腹痛や嘔吐が続いています。
それは手技の失敗ではなく、体からのサインかもしれません。がまんできないほどの腹痛や、水分も取れないほどの嘔吐・下痢は、急性膵炎など頻度はまれでも見逃せない副作用の初期症状のことがあります。次の注射はいったん止めて、早めに医師へ。症状が強いときは、オンラインの返事を待たず、救急外来の受診も含めてすぐに医療機関にかかってください。また、インスリンやSU薬を併用している方で、冷汗・ふるえ・強い空腹感・意識がぼんやりするといった低血糖のサインが出たときは、まずブドウ糖や糖分を取り、繰り返すようなら早めにご相談ください。当院で処方を受けている方は、軽い症状の段階からオンラインでご相談いただけます。
7. 使い方も含めて、糖尿病専門医が「続け方」までフォローします
手技そのものは、この記事のとおり数分で覚えられます。本当に差がつくのは、そのあとの続け方です。 吐き気が出たときにどう乗り切るか、打ち忘れが続いたときにどう立て直すか、増量のタイミングをどう見極めるか——週1回の注射を数か月単位で続けていく中では、手順書には書いていない判断が何度も出てきます。

当院(まさぼ内科・糖尿病クリニック飯田橋院)は、2023年4月以降で1,000例以上のマンジャロ処方実績があり、初めて注射する方のつまずきどころを外来でずっと見てきました。長く続けられている方ほど、最初の1か月のうちに小さなつまずきを早めに相談してくれた方だった——これが多くの処方例を診てきた率直な実感です。GIP/GLP-1受容体作動薬で頻度が高いのは、悪心・嘔吐・便秘・下痢といった胃腸の症状です。当院ではこれを漢方の併用でやわらげながら継続する方法をとっています(院長は日本東洋医学会にも所属し、漢方内科の診療経験があります)。インスリンやSU薬と併用している方では、ふらつき・冷汗・強い空腹感といった低血糖のサインへの目配りも欠かせません。こうした併用薬の確認も、診察のたびに行っています。
血糖やHbA1cを確かめたいとき、副作用が強いときはどうするか。そのときは飯田橋院での血液検査や対面診療に切り替えられます。オンラインで始めて、必要なときだけ対面へ——この使い分けができるのは、飯田橋に実在するクリニックだからです。
逆に、フォローが何もない入手方法——個人輸入や通販、SNSでの譲り受け——は、使い方以前の問題を抱えています。2〜8℃の温度管理がされた保証も、そもそも本物である保証もなく、2026年に入ってからは、SNS上の無許可販売者への東京都の警告や、大阪府警による書類送検が報じられるなど、取り締まりも強まっています。個別の事例と報道出典はマンジャロのオンライン購入・個人輸入のリスクを解説した記事に、厚生労働省の注意喚起とあわせてまとめています。
ひとつだけ繰り返しておくと、がまんできない腹痛や、水分が取れないほどの嘔吐・下痢があるときは、次の注射を打つ前に医療機関を受診してください(Q10参照)。体からのサインを見逃さないことも、正しい「使い方」の一部です。
これから使い方を覚える方も、いま使っていて「この打ち方で合っているのかな」と不安がある方も、スマホひとつで糖尿病専門医に相談できます。まだ処方を受ける前の方も、診察のなかで打ち方・保管・副作用が出たときの対応まで確認できます。あなたの生活に合わせた打つ曜日の決め方から増量の計画まで、一緒に設計しましょう。
▶ 糖尿病専門医によるマンジャロ オンライン診療について詳しく見る →
監修者 小林 正敬(こばやし まさたか)|まさぼ内科・糖尿病クリニック飯田橋院(東京都・飯田橋)代表理事兼院長。日本糖尿病学会 糖尿病専門医(第06341号)、日本内科学会 総合内科専門医(第022910号)、日本糖尿病協会療養指導医、日本東洋医学会所属。糖尿病・代謝・内分泌と漢方内科の診療にあたる。院長プロフィール (監修日・最終更新:2026年7月3日)
関連ページ – マンジャロ オンライン診療(診療内容・申込) – マンジャロのオンライン購入・個人輸入のリスク – 血液検査のご案内
参考・出典 – マンジャロ皮下注アテオス 添付文書(日本イーライリリー) – マンジャロ添付文書全文(KEGG医薬品データベース) – マンジャロの使い方(日本イーライリリー「知りたい!糖尿病」) – マンジャロ皮下注アテオス 取扱説明書・使い方動画(日本イーライリリー 医療関係者向け) – 医薬品等を海外から購入しようとされる方へ(厚生労働省) – 東京都によるX(SNS)上の医薬品無許可販売への警告(J-CAST) – マンジャロ無許可販売・保管での書類送検(日本経済新聞)