MENU

マンジャロは危険?「やばい」と言われる理由と本当のリスクを糖尿病専門医が解説

監修:小林 正敬(こばやし まさたか)|まさぼ内科・糖尿病クリニック飯田橋院 代表理事兼院長。日本糖尿病学会 糖尿病専門医・日本内科学会 総合内科専門医・日本糖尿病協会療養指導医・日本東洋医学会所属。 最終更新:2026年7月

結論を先に:マンジャロ(一般名チルゼパチド)は、日本で2型糖尿病の治療薬として承認され、臨床試験と市販後の監視を経て使われている医薬品です。副作用がゼロの薬ではありません。ただ、「危険かどうか」を分けるのは薬そのものより、誰の管理のもとで・どこから入手して・どう使うか——この3つの掛け算です。

「『マンジャロ やばい』で検索したら怖い話ばかり出てきて、始めるのをためらっています」——外来で、そう打ち明けられたことがあります。SNSには「吐き気が地獄だった」という体験談が流れ、ニュースでは転売の摘発や海外の死亡例が報じられる。不安になるのは当然だと思います。

この記事では、恐怖をあおる話も、「大丈夫ですよ」で済ませる話もしません。添付文書と公的機関の発表だけを根拠に、よくある副作用とまれに起こる重い副作用を頻度つきで整理し、「やばい」と言われる理由を一つずつ解きほぐしていきます。読み終わる頃には、ご自身が何を確認すればよいかが見えているはずです。

まず3行で マンジャロは承認された2型糖尿病治療薬で、吐き気・便秘などの副作用は比較的多いものの、多くは開始・増量期に集中します。急性膵炎など重い副作用はまれですが、初動が大切です。危険度を決める最大の変数は「医師の管理があるか」——個人輸入や自己判断での使用が、リスクを大きく引き上げます。

目次

1. 結論|承認された糖尿病治療薬。リスクは「誰の管理で使うか」で大きく変わります

マンジャロは、GIP受容体とGLP-1受容体という2つの受容体に働きかけて血糖を下げる、週1回の皮下注射薬です。 日本では2型糖尿病の治療薬として承認されており、血糖を下げる作用に加えて、脳の食欲中枢や胃の動き(内容物の排出を緩やかにする働き)を介して食欲が抑えられ、体重が減る方が多いことも知られています(マンジャロ添付文書|日本イーライリリー)。「怪しい薬」ではなく、承認審査と市販後の安全性監視の仕組みに乗った医薬品——まず、ここが出発点です。

そのうえで、糖尿病専門医として正直に言えば、「マンジャロは安全か危険か」という二択の問いには、そのままでは答えられません。同じ薬でも、置かれた状況で危険度がまるで変わるからです。私は外来でこう説明しています。

マンジャロの危険度 = 薬そのもののリスク × 入手経路 × 管理体制

  • 薬そのもののリスク:添付文書に整理されており、頻度も対処法も分かっている(第3章)
  • 入手経路:国内正規流通か、真偽不明の個人輸入か(第5章)
  • 管理体制:体質・既往歴を診て、異変時に相談できる医師がいるか(第4章・第6章)

薬のリスクは変えられませんが、入手経路と管理体制は自分で選べます。つまり「マンジャロがやばいかどうか」の答えの半分以上は、薬ではなく使い方の側にあるのです。以下、順に見ていきます。

2. マンジャロが「やばい」と言われる3つの理由

検索やSNSで「やばい」という言葉が広がる背景には、性質の異なる3つの話が混ざっています。 分けて眺めると、それぞれへの対処が見えてきます。

理由①:副作用の体験談が拡散しやすい

「吐き気がつらかった」「便秘がひどい」という投稿は、嘘ではありません。後述のとおり、消化器症状はこの薬で実際に頻度の高い副作用です。ただしネットの体験談には、つらかった人ほど書き込むという偏りがあります。症状がないまま続けている大勢の方は、わざわざ投稿しません。「体験談が多い=全員に起こる」ではない、という距離感が要ります。

理由②:非正規入手をめぐる事件・偽造品のニュース

2026年に入り、正規の診療を経ないルートをめぐる報道が相次ぎました。SNSでのマンジャロ無許可販売に対する東京都の警告(J-CASTニュース)、6月の摘発、そして厚生労働大臣による「個人間売買は違法」という明言(毎日新聞)です。

2026年6月2日には、大阪府警生活環境課が医薬品医療機器等法違反の疑いで3人を書類送検したと報じられました。報道によれば、うち1人は2025年12月、SNS上で知り合った相手に、病院で処方されたマンジャロを無許可で販売した疑い。ほかの2人は、SNSなどで入手したマンジャロを販売目的で自宅に保管していた疑いです。3人はいずれも容疑を認めているとされています(時事通信 2026年6月2日日本経済新聞)。

ここで立ち止まって考えていただきたいのは、売られていた薬の来歴です。「病院で処方された薬」が、そのまま第三者の手に渡っていた——ということは、買う側からは、その薬がどんな診察を経て出されたのか、どんな温度で、どれだけの期間保管されていたのかを確かめる術がありません。中身が本物かどうかも、箱を開けて眺めただけでは分かりません。安く早く手に入るように見えて、確かめられない要素だけが増えていくのです。

これらは薬そのものの危険性ではなく、入手経路の危険性の話です。ところが見出しだけが流れると「マンジャロ=やばい薬」という印象に合流してしまいます。私が外来でお伝えしているのは、ニュースが問題にしているのは薬ではなく「誰の手を経て、どう届いたか」だということです。入手経路ごとの違いはマンジャロのオンライン購入|個人輸入の危険と正規診療の違いで詳しく整理しています。

理由③:適応外・無管理使用への警鐘

日本糖尿病学会は、美容・痩身・ダイエット目的の適応外使用について「2型糖尿病を有さない日本人における安全性と有効性は確認されていない」とする見解を公表しています(日本糖尿病学会)。国民生活センターにも、痩身目的のオンライン診療をめぐる相談が2021年度の49件から2022年度には205件へと急増し、問診が不十分なまま初診で数か月分が処方されるといった事例が報告されました(国民生活センター 2023年12月)。つまり専門家が鳴らしている警鐘は「この薬を使うな」ではなく、「管理のない使い方をするな」なのです。

3つを並べると、構図がはっきりします。①は薬固有のリスクで、頻度と対処法が分かっている。②と③は使い方・入手経路のリスクで、避けようがある。次章で①を、第4〜6章で②③への備えを具体的に見ます。

補足:2026年6月、国が医療機関へ適正使用を求めました

2026年6月16日、厚生労働省の3課長連名で、GLP-1受容体作動薬・GIP/GLP-1受容体作動薬の適正使用に関する通知が各都道府県・保健所設置市・特別区の衛生主管部(局)長へ発出されました。 発出元は医薬局医薬安全対策課長、医政局総務課長、医政局医薬産業振興・医療情報企画課長。通知名は「GLP-1受容体作動薬及びGIP/GLP-1受容体作動薬の適正使用について」(医薬安発0616第16号/医政総発0616第1号/医政産情企発0616第1号)です(厚生労働省 2026年6月16日)。

「国が動いた」と聞くと、それだけで不安になるかもしれません。ただ通知の中身を読むと、書かれているのは新しい規制ではなく、この記事でお伝えしてきたことと同じ話でした。順に見ていきます。

まず、副作用について国として明記した部分です。

「承認された効能・効果に則って使用した際であっても、重大な副作用として低血糖症状や急性膵炎が起こり得ること、また、比較的頻度の高い副作用として、悪心、嘔吐、下痢、便秘、腹痛などの消化器症状が認められている」

——承認された使い方でも低血糖と急性膵炎は起こり得る。消化器症状は比較的多い。次章で添付文書ベースに整理する内容と、そのまま重なります。

そのうえで通知は、医療機関に次の体制整備を求めています。

「医薬品リスク管理計画の安全性検討事項に記載された副作用や、電子添文の『使用上の注意』に記載された副作用に対して、直ちに適切な処置ができる体制を整えるように」

「処方して終わり」ではなく、副作用が起きたときに直ちに動ける体制まで含めて適正使用である——国が示した線引きは、ここです。

あわせて通知は、チルゼパチド(マンジャロの一般名)の「効能・効果に関連する注意」も引用しています。

「本剤の適用は、あらかじめ糖尿病治療の基本である食事療法、運動療法を十分に行った上で効果が不十分な場合に限り考慮すること」

適応外での使用についても、「適応外で使用された場合の安全性及び有効性は確認されておらず、思わぬ有害事象による健康被害につながるおそれがあるなど十分な注意が必要です」と述べられています。理由③で見た学会の警鐘と、同じ方向を向いた記述です。

もうひとつ、「規制の話が出ているし、そもそも薬が手に入りにくいのでは」と心配している方へ。同じ通知は供給状況にも触れており、「現時点においては、いずれのGLP-1受容体作動薬等も通常出荷となっており、供給状況に問題ない」と記されています(2026年6月16日時点)。入手できるかどうかを気にして受診をためらうより、自分に使える薬かどうかを診察で確かめることを先にしていただきたい、と私は考えています。

当院がこのあと第4章でお伝えする4点——開始前の見極め、増量を急がないこと、副作用が出たときのサポート、正規流通と温度管理——は、まさにこの通知が求めている体制に対応するものです。異変を感じたときに相談できる窓口があること自体が、国の言う「直ちに適切な処置ができる体制」の実務にあたります。つまり国の側も、「使うな」ではなく「管理のもとで使え」という方向で足並みをそろえている——そう読み取れる通知です。

3. 本当のリスク|添付文書ベースで整理する副作用・禁忌

マンジャロの副作用は「頻度が高いが多くは対処できるもの」と「まれだが初動が大切なもの」の2層に分かれます。 添付文書の記載に沿って整理します(以下の頻度はいずれも添付文書より)。

マンジャロの副作用マップ。よくある消化器症状(悪心は5mg群10.7%・15mg群17.4%など)と、まれだが初動が大切な急性膵炎(0.1%未満)・低血糖などを2層で整理した図。出典は添付文書。

分類 主な症状 添付文書上の頻度 気づくためのサイン/初動
よくある副作用 悪心(吐き気)・嘔吐・下痢・便秘・食欲減退・消化不良 悪心は国内単独療法試験(40週)で5mg群10.7%、15mg群17.4%。国内の別試験では便秘・食欲減退も1〜2割程度 開始時・増量時に出やすく、多くは時間とともに軽快
まれだが重要 急性膵炎 0.1%未満 嘔吐を伴う持続的な激しい腹痛(背中に抜ける痛みを含む)。使用を中止して速やかに受診。膵炎と診断されたら再投与しない
まれだが重要 低血糖 頻度不明。インスリン製剤やSU薬との併用でリスク上昇 冷や汗・ふるえ・意識障害。まず糖分を摂り受診。併用薬の調整で予防
まれだが重要 胆嚢炎・胆管炎・胆汁うっ滞性黄疸 胆管炎0.1%未満、他は頻度不明 右上腹部痛・発熱・黄疸。使用を中止して受診
まれだが重要 イレウス(腸閉塞) 頻度不明 強い腹部膨満・嘔吐・排便の停止。腹部手術やイレウスの既往がある方は開始前に申し出る
まれだが重要 アナフィラキシー・血管性浮腫 頻度不明 じんましん・顔や喉の腫れ・呼吸困難。救急要請を
見落とされやすい 脱水・急性腎障害(電子添文の重大な副作用ではないが、市販直後調査で重篤例の報告あり) 重篤な副作用121件のうち脱水8件・急性腎障害2件 水分が摂れない・尿量が減る・立ちくらみ。我慢して続けず連絡を

(スマートフォンでは表を横にスクロールできます)

最後の行だけ、少し補足させてください。吐き気や下痢そのものは頻度の高い副作用ですが、水分が摂れない状態が続くと、脱水から腎臓の機能に及ぶことがあります。 国内の市販直後調査(2023年4月18日〜10月17日・調査対象13,002施設・推定使用患者数は2023年10月31日時点で約132,400例)で報告された重篤な副作用81例121件の内訳には、嘔吐11件、脱水8件、急性腎障害2件が含まれます。第2回中間結果(集計期間2023年4月18日〜6月18日)にも、低カリウム血症の報告、急性腎障害の重篤1件、腎不全の重篤1件が挙がっています(マンジャロ市販直後調査 最終結果(2024年1月)|日本イーライリリー/田辺三菱製薬同 第2回中間結果(2023年7月))。ですから「吐き気くらいで連絡するのは大げさ」ではありません。水が飲めているかどうかが、この分かれ目です。

3-1. よくある副作用:消化器症状は「最初の壁」

数字が示すとおり、吐き気や便秘は珍しくありません。10人に1〜2人という頻度は、医薬品としては高い部類です。ここを隠して「ほとんど副作用はありません」と言うつもりは、私にはありません。一方で、これらの症状は開始時と増量のタイミングに集中し、体が慣れるにつれて落ち着いていく方が多い——これも診療で繰り返し見てきた経過です。外来では「吐き気が出たら終わり」ではなく、食事量・便通・増量のタイミングを一緒に調整しながら続けられる方が少なくありません。食べ方の工夫、便秘薬や漢方薬の併用、増量を急がない判断で、多くは調整しながら続けられます。ただし症状が強いときは、無理に続けず、中止と受診を優先します。

目にした数字は、どの試験の数字か

同じ「吐き気の頻度」でも、資料によって1割台から3割近くまで数字が変わります。どちらかが誤りなのではなく、見ている対象と用量が違うからです。

「ネットで見た数字と先生の説明が違うのですが」——外来でよくいただく指摘です。ある数字だけが出典から切り離されて独り歩きしていることは、珍しくありません。ここを先に整理しておくと、この先の判断がぶれなくなります。

資料 誰を対象にした数字か 悪心(吐き気)の頻度
国内単独療法試験(40週)=添付文書 日本人の2型糖尿病の方 5mg群 10.7%/15mg群 17.4%
SURMOUNT-1(肥満症を対象とした試験) 肥満症の方 24〜33%(用量依存)
電子添文 11.2「その他の副作用」 承認時までに評価された試験全体 「5%以上」の区分に悪心・嘔吐・下痢・便秘・腹痛・消化不良・食欲減退

(スマートフォンでは表を横にスクロールできます)

SURMOUNT-1では、悪心24〜33%のほかに下痢17〜23%、便秘11〜17%、嘔吐6〜13%と報告されており、いずれも用量が上がるほど高くなる傾向がありました。国内の2型糖尿病の方を対象とした試験の数字(悪心10.7〜17.4%)と並べると、たしかに倍近い開きがあります(マンジャロ添付文書|日本イーライリリーマンジャロ皮下注アテオス 電子添文(2026年5月改訂・第10版)|PMDA)。

開きが生まれる理由は、大きく2つです。ひとつ、対象が違うこと——2型糖尿病の方を診た試験か、肥満症の方を診た試験か。ふたつ、用量が違うこと——低用量までか、高用量まで上げたか。条件が違えば数字も違って出ます。それは矛盾ではなく、前提の違いです。なお国内でのマンジャロの効能・効果は2型糖尿病であり、肥満症を対象とした試験の数値は、対象と用量が異なる参考値として読む必要があります。

ですから、目にした数字については次の2点を確かめてください。どの試験の数字か。誰を対象にした、どの用量の数字か。 これが分からない数字は、そのまま自分に当てはめないほうがよい——私はそうお伝えしています。数字を正しい枠に戻すだけで、必要以上に怖がることも、逆に油断することも避けられます。

3-2. まれだが見逃せない副作用:知っておくべきは「初動」

急性膵炎は0.1%未満とまれですが、起きたときに放置すると重くなりうる副作用です。低血糖は、マンジャロ単独では起こしにくいものの、インスリンやSU薬(スルホニル尿素薬)と併用している方では頻度が上がります。だからこそ、次のサインだけは覚えておいてください。

すぐに使用をやめて医療機関を受診すべきサイン

  • 嘔吐を伴う、持続する激しい腹痛(背中に抜ける痛みを含む)→ 急性膵炎の疑い
  • 冷や汗・強いふるえ・意識がもうろうとする → 低血糖の疑い(まず糖分を摂る)
  • 右上腹部の痛み・発熱・皮膚や白目が黄色い → 胆嚢・胆管系の疑い
  • 強い腹部の張りと嘔吐、排便・排ガスの停止 → イレウスの疑い
  • じんましん、顔・唇・喉の腫れ、呼吸のしづらさ → アレルギー反応の疑い(救急要請を)
  • 水分が摂れないほどの嘔吐・下痢が続く、尿量が減る、立ちくらみ → 脱水・急性腎障害・電解質異常の疑い(我慢して続けず連絡を)
  • 食後に胸がつまる、いつまでもお腹が張って食べ物が残っている感じが続く → 胃の内容物が停滞している可能性(次の増量前にご相談ください)

英国の医薬品規制当局MHRAも2026年1月、GLP-1関連薬の製品情報を更新し、急性膵炎を「知られているが頻度の低い副作用」としたうえで、症状(背部に放散する持続的な激しい腹痛、悪心・嘔吐)を患者自身が認識し、疑ったら緊急に受診するよう呼びかけました(GOV.UK)。規制当局の答えも「使うな」ではなく「知って、早く動け」なのです。

3-3. 使ってはいけない方(禁忌)

添付文書で投与してはいけないと定められているのは、本剤の成分に過敏症の既往がある方、糖尿病性ケトアシドーシス・糖尿病性昏睡または前昏睡・1型糖尿病の方(インスリン治療が不可欠なため)、重症感染症や手術など緊急の対応が必要な状態の方です。加えて、膵炎の既往がある方、重い胃腸障害のある方、腹部手術やイレウスの既往がある方、増殖糖尿病網膜症のある方などは、投与の可否や経過観察を慎重に判断します。ここは自己判断では見極めようがなく、医師の問診が要る領域です。

3-4. 日本国内で報告された死亡例は何例か——一次資料でたどる

先に、数字の全体像をお示しします。発売から半年間(2023年4月18日〜2023年10月17日)、調査対象13,002施設で実施された市販直後調査で、推定使用患者数は約132,400例(2023年10月31日時点)。この期間に報告された副作用(因果関係が否定できない有害事象)は1,967例2,635件、そのうち重篤なものが81例121件、そして因果関係が否定できない死亡例の報告は2例でしたマンジャロ市販直後調査 最終結果(2024年1月)|日本イーライリリー/田辺三菱製薬)。

「マンジャロ 死亡」で検索すると、国内の死亡例に触れた記事がいくつも並びます。ただ、数字だけが先に目に入りやすいのがこの話題の難しさです。分母のない数字は、読む人の不安をどこまでも大きくします。だから私は、分母から書くことにしました。推定で約13万例が使い、そのなかで2例——この距離感を持ったうえで、次にその2例の中身を見ていきます。

報告された2例は、いずれもご高齢の患者さんでした(70代と80代。どちらがどの症例かは公表されていません)。そして2例はいずれも、インスリン製剤を使用中の方でした。

  • 1例目:インスリン製剤を使用していた方で、本剤の投与後にケトアシドーシス(血糖が急激に悪化して体が酸性に傾く、重い状態)が発現したと報告されています。
  • 2例目:80歳代の男性。インスリングラルギン/リキシセナチドを使用中に、HbA1cが12.8%、血糖が291mg/dLへ急性に悪化して緊急入院となった状況で、本剤は2.5mgを1回のみ投与されました。投与後、消化器症状はまったくなく、食事も全量摂取でき、嚥下(のみこみ)の機能にも問題は指摘されていませんでした。ところが開始から4日後、心肺停止の状態で発見され、蘇生に反応せず亡くなっています。死亡時の画像診断では胃のなかに食物残渣が多く認められ、心肺停止に至る所見は見つからず、窒息による死亡と診断されました。剖検はご家族の意向で行われていません。この方には認知症・自律神経失調症のほか、高血圧症・脂質異常症、胆管の悪性腫瘍の疑いといった併存症があり、開始前のBMIは23.78——肥満の範囲ではない体格でした。

重篤な副作用81例121件の内訳も公表されています。2件以上報告された事象は次のとおりです。

系統 重篤な副作用として2件以上報告された事象(件数)
消化器 嘔吐 11/悪心 4/食欲減退 3
膵臓 膵炎 4/急性膵炎 3
血糖・水分バランス 低血糖 9/脱水 8/ケトアシドーシス 4/高血糖 3/糖尿病性ケトアシドーシス 2
胆道系 急性胆管炎 2/急性胆嚢炎 2/胆嚢炎 2/胆石症 2
その他 浮動性めまい 3/急性腎障害 2/骨折 2

(スマートフォンでは表を横にスクロールできます。系統の分類は当院で読みやすさのために整理したもので、件数は原文のままです)

このうち、65歳以上の方の重篤な副作用が40例65件——81例のおよそ半数を、65歳以上が占めています。一方、報告全体で件数が多かったのは悪心659件・食欲減退364件・下痢200件・嘔吐172件・低血糖83件で、その大半は非重篤(1,906例2,514件)でした。「多い副作用」と「重い副作用」は、別の層の話だということが、この内訳からも読み取れます。

この調査結果を受けて、日本糖尿病学会は2023年12月4日に「マンジャロ®皮下注に関する重要なお知らせ」を出しています。

「2023年4月18日の発売開始後、特に高齢者において重篤な副作用が一定数認められています。また、因果関係の否定できない死亡例もあり」

「本剤投与後に死亡に至った2例は、いずれも高齢者でした。本剤に関して国内で実施された治験では、主に肥満傾向の非高齢者が参加しており、BMI 23 kg/m2 未満の者や高齢者(特に75 歳以上の後期高齢者)では、安全性、有効性が十分に評価できていません」

マンジャロ®皮下注に関する重要なお知らせ・2023年12月4日|日本糖尿病学会

学会は同じ文書で、東アジアで実施された治験の統合解析でもBMI25未満の非肥満や65歳以上の高齢者で消化器症状の発現割合が高いと報告されていることに触れ、「日本糖尿病学会では、BMI の低い高齢者への本剤投与の可否については専門医に相談することを強く推奨いたします」と結んでいます。さらにインスリンについては、「インスリン使用者をインクレチン関連薬(マンジャロを含む)に変更する場合には、内因性インスリン分泌を必ず確認すること、また切り替えの可否については専門医に相談することを強く推奨いたします」と、確認すべき項目まで名指しで示しました。

この「インスリン」という論点は、死亡例だけの話ではありません。同じ調査では、死亡例以外に糖尿病性ケトアシドーシスを含む高血糖関連の事象が10例報告され、その全てが重篤でした。内訳は、インスリン製剤から本剤への切り替え後の発現と確認されたものが1例、インスリンを減量してから開始し高血糖となったものが1例、SGLT2阻害薬を含む経口の糖尿病治療薬との併用中が6例、不明が2例です。血糖を下げる薬を「置き換える」「減らす」という操作の前後に、リスクが集まっているのです。

では、この数字をどう読むべきか。 読み取るべきは件数ではなく、背景です。2例はいずれもご高齢で、いずれもインスリン製剤を使用中でした。加えて詳細が公表された1例では、認知症や自律神経の障害など、体の変化をご自身で訴えにくくさせる併存症が併記されています。これは確率の話ではなく「誰に」の話です。だから同じ2例が、ある方にとっては遠い数字で、別の方にとっては自分ごとになります。

薬の性質も、あわせて知っておいてください。マンジャロには胃の内容物の排出を緩やかにする作用があります。2026年5月改訂の電子添文(第10版)では、「全身麻酔又は深い鎮静下の患者」への注意が新たに設けられ、「術前の絶食指示を遵守したにもかかわらず、全身麻酔又は深い鎮静下で誤嚥が生じた症例が報告されている。本剤は胃内容排出遅延作用があり、胃内容物残留リスクが高まるおそれがある」と記載されています。また同じ電子添文には「投与開始時のBody Mass Index(BMI)が23kg/m2未満の患者での本剤の有効性及び安全性は検討されていない」「本剤はインスリンの代替薬ではない」とも明記されています(マンジャロ皮下注アテオス 電子添文(2026年5月改訂・第10版)|PMDA)。食べ方・のみこみ・食事量に目を配る理由は、体験談ではなく添付文書の側にあるわけです。

ただ、正直に申し上げておかなければならないことがあります。この2例目では、消化器症状がまったく出ておらず、食事も全量摂取できていました。つまり、サインが出ないまま進むこともある——公表された記録は、そう読める内容です。だからこそ、ご本人の自覚に頼りきらない見守りが要ります。ご高齢の方やインスリンを使っている方については、ご家族にも見ていてほしいことがあります。

ご高齢の方・インスリン使用中の方で、ご家族にも見ていてほしいこと

  • 食事のあとにむせる、喉に詰まる感じがある、食べるのに時間がかかるようになった
  • 食事量が急に減った、水分がとれていない、口が乾く・ぐったりしている
  • 強い口渇・多尿とともに、ぼんやりする・呼吸が速い → 高血糖・ケトアシドーシスの疑い(すぐ受診を)
  • 体重が短期間に大きく落ちた → 薬の減量または中止の検討が必要なサイン

(低血糖のサインは3-2の一覧をあわせてご覧ください)

ご本人が症状を言葉にしにくい状況ほど、周りの目が最初の安全装置になります。私が高齢の方への処方を判断するときに時間をかけているのは、まさにこの部分——ご本人の体格と併存症、併用している血糖の薬、そして異変に気づける方が身近にいるかどうかです。血糖の指摘を受けたことがある方は、体重の話の前に血糖の評価が先になります(糖尿病の診療ページ)。数字の「2例」は、そこまで踏み込んで読んだときに、はじめて自分の判断に使える情報になります。

3-5. 海外で報告された死亡例——英国で確認された初のケース

国内の2例が示していたのは、高齢であること、そしてインスリン製剤を使用中であったことという「誰が使ったか」の重みでした。一方、海外で報じられた死亡例は、まったく別の背景——痩身目的で、継続して診てくれる医師を持たないまま使ったケース——から生まれています。

「マンジャロ 死亡」で検索している方のために、確認できる事実をできるだけ具体的にお伝えします。見出しの数字だけが独り歩きすると、かえって不安が大きくなってしまうからです。この事例は本当に例外的なものですが、その中身を丁寧にたどると、むしろ「どう使うか」の大切さがはっきり見えてきます。

英国で2024年、体重を減らす目的でチルゼパチドを使い始めた58歳の女性看護師が亡くなりました。報道によれば、この方は医療機関で継続的に診てもらう形ではなく、オンライン薬局で薬を購入し、約2週間のあいだに2回、低用量を自分で注射しました。その後、強い腹痛と吐き気が現れて救急を受診し、腎臓の機能が急速に悪化して多臓器不全に至り、9月4日に亡くなっています。死亡診断書には、直接の死因として多臓器不全・敗血症性ショック・急性膵炎が、寄与要因として「処方されたチルゼパチドの使用」が記載されたと報じられました(Forbes 2024年11月)。英国で公式にこの薬と関連づけられた初めての死亡例とされています。

痛ましい出来事です。同時にこの経過は、この記事がお伝えしてきたことを、そのまま裏づけてもいます。ひとつ、入手経路が「継続して診てくれる医師のいないオンライン購入」だったこと。ふたつ、命に関わりうる急性膵炎のサイン——嘔吐を伴う、持続する激しい腹痛——が実際に現れていたこと。みっつ、そのサインが出たときに「いつ・誰にすぐ相談すればよいか」という道筋が、ご本人の手もとになかったこと。この3つ——危険サインをあらかじめ知っていること、異変が出た瞬間に相談・受診できる相手がいること、その道筋が手もとにあること——は、いずれも早期の対応につながりうる条件です。急性膵炎は0.1%未満とまれで、しかも初動で気づけるサインがはっきりしている副作用でもあります。だからこそ、その初動を支える「管理」が要になります。

念のため補足します。副作用として報告された死亡例は、「薬が原因だと証明されたもの」とは限りません。持病や他の要因が重なった例も含まれ、規制当局も報告と因果関係を分けて評価しています。英国のMHRAも2026年1月、急性膵炎を「頻度は低いが、まれに重くなりうる副作用」と位置づけ、症状を知って早めに受診するよう改めて呼びかけました(GOV.UK)。見出しの数字だけで「死ぬ薬」と決めつけるのも、逆に「自分には関係ない」と切り捨てるのも、どちらも正確ではありません。正しい向き合い方は、リスクを具体的に知ったうえで、危険サインに気づける環境——つまり医師の管理のもとで使うことです。

あなたは慎重に判断すべき側か——BMI・年齢・併用薬の3つの数値基準

「自分は使ってよい側なのか、慎重に考えるべき側なのか」——ここがいちばん知りたいところだと思います。公的な文書を読み込んでいくと、判断の境目は3つの数値にかなり集約されます。 開始時のBMI、年齢、そしていま使っている糖尿病の薬です。

慎重な判断が要る基準 根拠となる公的記載 なぜ注意が必要か
①開始時のBMIが23kg/m²未満 電子添文8.9「投与開始時のBody Mass Index(BMI)が23kg/m2未満の患者での本剤の有効性及び安全性は検討されていない」 確かめられていない領域に入る。日本糖尿病学会も東アジアの治験統合解析で「BMI25 未満の非肥満」で消化器症状の発現割合が高いと報告
②75歳以上の後期高齢者(65歳以上も注意) 日本糖尿病学会「BMI 23 kg/m2 未満の者や高齢者(特に75 歳以上の後期高齢者)では、安全性、有効性が十分に評価できていません」 市販直後調査では65歳以上の重篤な副作用が40例65件。報告された死亡2例はいずれも70代・80代
③インスリン製剤・SU薬を使用中 電子添文8.1「本剤はインスリンの代替薬ではない」 切り替えや減量のしかたによって急激な高血糖・ケトアシドーシスが報告されている。SU薬併用では低血糖も起こりやすくなる

(スマートフォンでは表を横にスクロールできます)

ひとつめ、開始時のBMIです。電子添文の8.9には「投与開始時のBody Mass Index(BMI)が23kg/m2未満の患者での本剤の有効性及び安全性は検討されていない」と明記され、同じ項には「過度の体重減少がみられた場合は本剤の減量又は投与中止を考慮すること」とも書かれています(マンジャロ皮下注アテオス 電子添文(2026年5月改訂・第10版)|PMDA)。「検討されていない」は「危険と分かっている」とは違います。ただ、確かめられていない領域に自己判断で踏み込むことになる——それが実態です。日本糖尿病学会は東アジアで実施された治験の統合解析について、「BMI25 未満の非肥満や65 歳以上の高齢者で消化器症状の発現割合が高いことが報告されています」としています。もともと体格が大きくない方ほど、吐き気や食欲低下が強く出やすい。体重を気にして調べている方の中には、そもそもBMIが23を下回っている方が少なくありません。その場合、期待している効果よりも、つらい症状のほうが先に来る可能性があります。

ふたつめ、年齢です。日本糖尿病学会は2023年12月4日の文書で、国内治験には「主に肥満傾向の非高齢者が参加しており、BMI 23 kg/m2 未満の者や高齢者(特に75 歳以上の後期高齢者)では、安全性、有効性が十分に評価できていません」と説明しています(日本糖尿病学会 2023年12月4日)。年齢そのものが禁忌なのではなく、確かめられている範囲の外側に出るぶん、見守りを厚くする必要があるということです。

みっつめ、いま使っている薬です。電子添文の8.1は「本剤はインスリンの代替薬ではない」とはっきり書いています。ここを取り違えると、いちばん危ない形になります。3-4で見たとおり、市販直後調査では高血糖関連の副作用10例がいずれも重篤で、その多くが「切り替え」「減量」「併用」という操作の前後に発生していました。学会も、切り替えにあたっては内因性インスリン分泌の確認と専門医への相談を強く推奨しています。私自身、切り替えのご相談をいただいたときは、まず内因性インスリン分泌の状態と直近の血糖の推移を確認してから、可否を判断しています。

学会がこの文書のなかで「専門医に相談することを強く推奨」と書いているのは、BMIの低い高齢者への投与の可否と、インスリン使用者の切り替えの可否——奇しくも、この節で挙げた3つの基準とほぼ重なります。私はこれを、専門医だけが特別な薬を持っているという話ではなく、BMI・年齢・併用薬という数値をどう読むかで判断そのものが変わる領域だから、その読み方を日常的に扱っている医師に一度見せてほしい——という趣旨だと理解しています。

3つのうちどれかに当てはまった方に、「あなたは使えません」と申し上げたいのではありません。むしろ逆です。当てはまる方ほど、始めるかどうか・どの用量から入るか・どこを見張るかの設計に意味が出てきます。当てはまらない方は自己判断でよい、という話でもありません。数値は入口にすぎず、最後は問診で埋めるしかない情報がいくつも残ります。

手術・内視鏡の予定がある方へ——2026年5月に添付文書へ追記された注意

マンジャロの電子添文(従来の添付文書)は2026年5月に改訂され(第10版)、9.1.6として「全身麻酔又は深い鎮静下の患者」という項目が新しく設けられました。 まだあまり知られていない注意点なので、この記事で扱っておきます。

新設された項目には、こう書かれています。「GLP-1受容体作動薬又はGIP/GLP-1受容体作動薬を投与中の患者において、術前の絶食指示を遵守したにもかかわらず、全身麻酔又は深い鎮静下で誤嚥が生じた症例が報告されている。本剤は胃内容排出遅延作用があり、胃内容物残留リスクが高まるおそれがある。」(マンジャロ皮下注アテオス 電子添文(2026年5月改訂・第10版)|PMDA

読みどころは「術前の絶食指示を遵守したにもかかわらず」という部分です。この薬は胃の内容物が出ていくのを遅らせる働きを持ちます。だから、指示どおり前夜から何も食べていなくても、胃の中に食べ物が残っていることがある——それが、麻酔や深い鎮静で誤嚥(気道に入り込むこと)につながりうる、という指摘です。ご本人がルールを守っていても起こりうる。ここが、この項目のいちばん大事なところだと思います。

対処はきわめて単純です。伝えること、これだけです。

手術・検査の前に必ず申告してください

  • 全身麻酔を伴う手術の予定がある → 執刀医と麻酔科医に「マンジャロ(チルゼパチド)を使用中」と伝える
  • 深い鎮静下で行う胃・大腸内視鏡の予定がある → 内視鏡の担当医に伝える
  • 歯科や他院の処置で鎮静を使う可能性がある → 事前に申し出る
  • 当院で処方を受けている → 予定が決まった時点で、当院にもご相談ください

いつから休むべきか、何日空けるべきか——具体的な日数をここに書くことはしません。手術や検査の内容、麻酔の深さ、血糖の状態によって判断が変わるため、担当する医師と処方医の指示に従っていただくのが正解です。逆に言えば、自己判断で勝手にやめたり、逆に黙って続けたりするのが、いちばん避けたい形になります。予定が決まったら、その時点で伝える。それだけで、この注意は実務上ほぼ解消できます。

胃腸の動きに関する注意は、この2年で二度増えています。2025年7月30日、PMDAはGLP-1アゴニスト作用を有する薬剤について「使用上の注意」の改訂を公表し、9.1の慎重投与に「腹部手術の既往又はイレウスの既往のある患者」を、11.1の重大な副作用に「イレウス」を追記しました。同時に、判断の根拠となった国内症例の集積状況も公表されています。PMDAの副作用等報告データベースに登録された症例のうち、SMQ(標準検索式)「消化管の閉塞」に該当する国内症例は、チルゼパチドで22例。このうち因果関係が否定できないと判断されたのは2例で、転帰が死亡となった症例は0例です(PMDA「GLP-1アゴニスト作用を有する薬剤の「使用上の注意」の改訂について」2025年7月30日)。

数字の意味を補っておきます。この22例は「マンジャロで腸閉塞が22件起きた」という意味ではありません。データベースに登録された報告の件数であり、そのうち薬との関係が否定できないと評価されたのが2例、という構造です。腹部の手術を受けたことがある方、腸閉塞をしたことがある方は、この項目に該当します。頻度は不明とされるほどまれですが、既往がある方だけは、始める前に必ず申し出てください。

3-6. マンジャロのデメリットは「副作用」だけではない

「マンジャロ デメリット」と調べている方に向けて、危険性(副作用)とは別の次元の現実的なデメリットも先に挙げておきます。副作用の話だけで判断すると、始めてから「こんなはずでは」となりがちだからです。

  • 費用:痩身目的では自由診療(保険適用外)となり、続けるあいだ費用の負担が続きます。
  • 注射であること:週1回とはいえ皮下注射で、飲み薬ではありません。
  • 中止後のリバウンド:やめると体重が戻りやすいことが海外の大規模試験(SURMOUNT-4)で示されており、「やめ方」まで設計が要ります(JAMA, 2024)。
  • 適応外使用のリスク:痩身目的は国内では適応外で、重い副作用が出ても医薬品副作用被害救済制度の対象外となる場合があります。

副作用のリスクとこの4つを同じ天秤に載せて、それでもメリットが上回ると納得できたときに、はじめて医師と始め方を相談する——この順番が、後悔のない判断につながります。

やめた後はどうなるか——「後遺症」という言葉で検索している方へ

「マンジャロ 後遺症」「副作用 将来」と調べてこのページに来た方に、まずお伝えしたいことがあります。この言葉で語られている中身は、使用中に出ている副作用か、体重が急に減ったことに伴う体の変化か——外来で伺うと、多くはそのどちらかです。 だからこそ、「残るかどうか」を心配する前に、いま自分の体に何が起きているのかを切り分けることが先になります。以下、検索で多く見かける順に、確認できている事実を並べます。

やめた後の体重について。 3-6で挙げた中止後のリバウンドを、もう少し踏み込んで見ます。中止後に食欲が戻り、体重が再び増えることは海外の臨床試験(SURMOUNT-4)で示されています(JAMA, 2024)。「やめたら元の生活に戻れますか」という問いへの正直な答えは、「何も準備せずにやめれば、体重は戻りやすい」です。だから、やめ方——どこまで減ったら、どのくらいのペースで減量・中止に向かうのか、その間に食事と運動をどう置き換えるのか——を、始める前から設計しておく意味があります。「マンジャロ 後悔」と検索している方のお話を伺うと、後悔の中身は薬そのものよりも、この出口を誰とも相談できていなかったことにあると感じます。

髪の変化(「はげる」)について。 市販直後調査の第2回中間結果では、脱毛症の報告は非重篤1件でした(集計期間2023年4月18日〜6月18日。同調査で報告された副作用は498例616件、推定使用患者数は2023年5月31日時点で約35,400名。なおこの調査はその後も継続し、最終結果では推定使用患者数 約132,400例・副作用1,967例2,635件・うち重篤81例121件となっています。以下の脱毛症・抑うつ症状・悪夢の内訳は、第2回中間結果時点の集計です)(マンジャロ市販直後調査 第2回中間結果(2023年7月)|田辺三菱製薬)。市販直後調査は自発的な報告の集計であり、発生の頻度そのものを示すものではありませんが、報告としては例外的な少数です。一方で、急な体重減少や食事量が落ちたことによる栄養の偏りが、髪や肌の状態に影響することもあります。薬の直接の作用なのか、減量のペースや栄養の側の問題なのかは、分けて考える必要があります。「薬のせいだ」と決めてしまうのも、「気のせいですよ」と流すのも、どちらも正確ではありません。減量幅・食事内容・血液検査を並べて見れば、手を打つ先はかなり絞れます。

顔つきの変化について。 「顔つきが変わった」という声も、検索の多い言葉です。体重が大きく減れば、顔まわりの脂肪も一緒に減ります。これも、薬の直接の作用なのか、減量そのものに伴う変化なのかを分けて考えるところです。そして、減りすぎているのなら手を打つ余地があります。電子添文はこう記しています——「過度の体重減少がみられた場合は本剤の減量又は投与中止を考慮すること」「投与開始時のBody Mass Index(BMI)が23kg/m2未満の患者での本剤の有効性及び安全性は検討されていない」(マンジャロ皮下注アテオス 電子添文 8.9|PMDA)。減りすぎは、用量を下げる理由・いったんやめる理由になりうるのです。ここは我慢して続ける場面ではなく、相談する場面です。

気分の変化について。 同じ第2回中間結果には、抑うつ症状が非重篤1件、悪夢が重篤1件として報告されています。件数はごくわずかですが、報告のある事象です。気分の落ち込みや眠りの変化を感じたときは、自己判断で続けることも、急にやめることも避けて、まず相談してください。

「後遺症かもしれない」と感じたときの相談のサイン

  • 髪が抜ける、肌の張りが落ちた、顔まわりが急にやせた → 減量のペースが速すぎる可能性(減量幅・食事内容・血液検査の確認を)
  • 気分の落ち込み、眠りが浅い、悪夢が続く → 自己判断で続けず・急にやめず相談を
  • 想定以上に体重が減っている → 電子添文8.9に沿って、減量または中止の検討対象
  • やめた後に食欲と体重が戻ってきた → 責める場面ではなく、出口の設計をやり直すタイミング

「後遺症は残りますか」と尋ねられたとき、私は「残る・残らない」でお答えするのではなく、「いま何が起きているのかを一緒に確かめましょう」とお伝えしています。体重が減りすぎているのか、栄養が偏っているのか、薬の副作用として説明できる症状なのか——切り分けができれば、用量を下げる、いったん止める、食事の内容を組み替える、検査で確かめる、といった具体的な手が選べます。この薬は、始め方と同じくらい、やめ方に医師が要る薬です。 出口まで含めた進め方は、マンジャロのオンライン診療のページにまとめています。

4. リスクを下げる使い方|血糖・体重・副作用を診ながら段階的に

第3章のリスクは、管理の仕方でかなりの部分を予測し、備えることができます。 当院が2023年4月以降、1,000例以上の処方で積み重ねてきた運用は、特別な裏技ではありません。基本に忠実な、次の4点の積み重ねです。

管理ポイント 具体的にすること 下げられるリスク
①開始前の見極め 既往歴(膵炎・胃腸・腹部手術)・併用薬・体質を問診し、可否を判断 禁忌・慎重投与の見落とし
②増量を急がない 週1回2.5mgから開始し、症状を見ながら段階的に増量 吐き気・便秘などの消化器症状
③副作用サポート 体質に合わせた漢方併用、必要時は対面・血液検査へ切替 症状の悪化・中断
④正規流通・温度管理 国内正規品を2〜8℃のクール便で直送(薬局受け取りではない) 偽造品・変質

(スマートフォンでは表を横にスクロールできます)

以下、それぞれを補足します。

まず、始める前の見極めです。問診で既往歴(膵炎・胃腸の病気・腹部手術など)、併用薬(インスリン・SU薬による低血糖リスク)、体質を確認し、処方できると判断した場合にのみお届けします。診察の結果、処方を見合わせて別の方法をご提案することもあります。

次に、増量を急がないこと。マンジャロは週1回2.5mgから開始し、段階的に増量していく設計の薬です。消化器症状は増量のタイミングで出やすいため、私は診察のたびに吐き気・便秘の有無と食事量を確認し、症状が残っているうちは増量を見送る判断をよくします。数字の上では遠回りに見えても、続けられることがいちばんの近道だからです。

副作用への備えには、漢方薬の併用という選択肢も用意しています。吐き気や便秘といった消化器症状に対して、体質に合わせた漢方薬を組み合わせてサポートします(院長は日本東洋医学会に所属し、漢方診療にも対応しています)。それでも症状が強い場合や、血糖・肝機能などを客観的に確認したい場合には、オンラインにこだわらず対面診療や血液検査への切り替えをご案内します。オンラインで完結させることが目的ではなく、安全に続けることが目的だからです。

薬の品質管理も、リスクを下げる要素のひとつです。自由診療のマンジャロは薬局での受け取りではなく、当院から直接、2〜8℃のクール便でご自宅へお届けします。温度管理された正規流通品が、診察とセットで届く——第5章で見る個人輸入との違いは、まさにここにあります。

糖尿病専門医によるマンジャロ オンライン診療の詳細を見る →

5. 個人輸入・通販のマンジャロが危険な理由

「マンジャロはやばい」という話の少なくない部分は、薬ではなく入手経路の問題です。 海外通販や個人輸入代行で手に入れた薬には、日本の品質チェックを受けていない、偽造品が混ざりうる、2〜8℃の温度管理が保証されない、そして重い副作用が出ても医薬品副作用被害救済制度の対象外という、構造的な弱点が重なります(厚生労働省PMDA)。

同じマンジャロでも入手経路で安全性がまるで違うことを示す比較図。個人輸入・通販・SNSは診察・本物の保証・冷蔵2〜8℃管理・副作用フォロー・救済制度が対象外、医師の管理下(正規診療)はいずれも確保される。

しかも第3章で見たとおり、この薬のリスク管理は「始める前の見極め」と「異変時の初動」に懸かっています。個人輸入には、そのどちらもありません。吐き気が出ても相談する相手がおらず、腹痛が膵炎のサインだと気づく機会もない。薬そのもののリスクに、無管理というリスクが上乗せされるわけです。SNSの「譲ります」に至っては、売る側が薬機法違反に問われる領域で、2026年には書類送検も報じられました(時事通信)。

通販・個人輸入・SNS売買の具体的なリスクと2026年の規制の動きは、別記事で詳しく整理しています。入手経路で迷っている方は、先にこちらをお読みください。

マンジャロのオンライン購入|個人輸入の危険と正規診療の違い →

6. こんな方は特に医師の管理が必要です

次のいずれかに当てはまる方は、「使えるかどうか」の判断そのものに医学的な見極めが要ります。 自己判断で始めるのは避けてください。

医師の管理が特に必要なチェックリスト

  • □ 膵炎・胆石症など、膵臓や胆のうの病気をしたことがある
  • □ 胃腸の病気(重い胃もたれ・腸閉塞・腹部手術の経験など)がある
  • □ インスリンやSU薬など、血糖を下げる薬をすでに使っている
  • □ 糖尿病網膜症と言われたことがある
  • □ 65歳以上、または体重がかなり少ない
  • □ 妊娠中・授乳中、または妊娠の可能性がある
  • □ 持病の薬を複数飲んでいる

当てはまった方に「使えません」と言いたいのではありません。既往や併用薬があるからこそ、専門医が診ながら使うことに意味があります。参考までに、私が初回の問診で必ず確認しているのは、膵臓・胆のう・胃腸の病気の既往、血糖を下げる薬(インスリン・SU薬)の併用、そして直近の体重・血糖の推移の3点です。ここを飛ばして薬だけ渡す使い方こそ、いちばん避けたいものです。とくに血糖値や糖尿病の指摘を受けたことがある方は、体重の話の前に血糖の評価が先になります。糖尿病の診療ページもあわせてご覧ください。

7. よくある質問(FAQ)

「マンジャロ 危険」をめぐる不安は、副作用・死亡例・依存性・長期使用・リバウンド・処方先をはじめ、多岐にわたります。 外来やオンラインのご相談で実際に多い質問に、結論からお答えします。

Q1. 結局、マンジャロは危険な薬なのですか?

承認審査を経た医薬品であり、「危険な薬」とひとくくりにはできません。ただし副作用はゼロではなく、「安全です」と言い切ることもできません。吐き気・便秘などの頻度の高い副作用と、急性膵炎などのまれで重い副作用があり、どちらも医師の管理下なら予測と備えが可能です。危険度を大きく左右するのは、入手経路と管理体制です。

Q2. 「やばい」「怖い」という口コミは嘘なのですか?

嘘とは限りません。消化器症状は実際に頻度の高い副作用で、つらい経験をした方の投稿は事実でしょう。ただ、体験談は「つらかった人ほど発信する」偏りを持ちます。症状なく続けている多数の方の声はネットに現れにくいこと、症状の多くが開始・増量期に限られることを差し引いて読む必要があります。

Q3. 依存性はありますか?

チルゼパチドに依存性は報告されていません。ただし、漫然と続ける薬ではありません。血糖・体重・副作用を確認しながら、続けるか、減らすか、やめるかを医師が定期的に見直すことが前提の薬です。

Q4. 長期間使っても大丈夫ですか?

国内外の臨床試験では1年以上の投与データが蓄積されています。ただし、確認されているのはあくまで試験で調べられた期間・対象者の範囲であり、そこでは長期使用に特有の新たなリスクがはっきり示されているわけではない、というのが正確な言い方です。「何年でも無条件に続けてよい」という意味ではありません。定期的な診察で血糖・体重・副作用を確認しながら続けるのが原則です。

Q5. やめたらリバウンドしますか?

中止後に食欲が戻り、体重が再び増えることは海外の臨床試験(SURMOUNT-4)で報告されています。だからこそ、急にやめるのではなく、食事・運動の習慣を整えたうえで段階的に減らす「出口の設計」まで含めて医師と相談してください。当院でも、やめ方のご相談は診察の重要なテーマにしています。

Q6. 死亡例があると聞きました。本当ですか?

英国で2024年、チルゼパチド使用後に死亡した事例が報じられ、死亡診断書に薬の使用が寄与要因として記載されました。一方で、副作用報告は因果関係が証明されたものとは限らず、規制当局も両者を区別して評価しています。この事例が示すのは「腹痛などの異変時に、すぐ相談・受診できる体制で使うことの重さ」だと考えています。私も腹痛の相談を受けたときは、痛む場所・持続時間・嘔吐の有無を必ず確かめ、膵炎を疑う所見があれば使用の中止と受診をその場でご案内します。国内でも、発売から半年間の市販直後調査(推定使用患者数 約132,400例)で、因果関係が否定できない死亡例の報告が2例あります。いずれもご高齢で、インスリン製剤を使用中の方でした。詳しくは第3章の3-4をご覧ください。

Q7. 痩せる目的で使うのは「やばい」ですか?

痩身目的の使用は国内では適応外で、日本糖尿病学会も2型糖尿病でない方への安全性・有効性は確認されていないとの見解を示しています。また適応外使用では、医師の処方でも副作用被害救済制度の対象外となる場合があります。それでも体重や代謝の問題に早く取り組みたい方には、リスクとデメリットを理解したうえで、医師の管理下の自由診療という選択肢があります。問診なしで薬だけ手に入れる方法と、専門医が適応を見極めながら伴走する方法——同じ「痩せる目的」でも中身はまったく別物です。

Q8. どこで処方を受けるのが安心ですか?

診察で適応とリスクを確認してくれること、国内正規流通の薬を温度管理して届けてくれること、副作用が出たときに相談できることの3つがそろった医療機関です。当院の糖尿病専門医によるマンジャロ オンライン診療の内容は、こちらのページにまとめています。

Q9. マンジャロはハイリスク薬ですか?

「ハイリスク薬」という言葉に単一の厳密な定義はありませんが、血糖に直接作用する薬である以上、管理を前提にすべき薬だとお答えしています。マンジャロも、インスリン製剤やSU薬(スルホニル尿素薬)と併用している方では低血糖が起こりやすくなりますし、電子添文の重大な副作用には低血糖、急性膵炎(0.1%未満)、胆嚢炎・胆管炎・胆汁うっ滞性黄疸、アナフィラキシー・血管性浮腫、イレウス(腸閉塞)が挙げられています(マンジャロ皮下注アテオス 電子添文(2026年5月改訂・第10版)|PMDA)。厚生労働省も2026年6月16日の通知で、電子添文の「使用上の注意」に記載された副作用に対して「直ちに適切な処置ができる体制を整えるように」と求めています(GLP-1受容体作動薬及びGIP/GLP-1受容体作動薬の適正使用について|厚生労働省)。つまり「怖い薬」ではなく「管理しながら使う薬」——定期的な診察と検査、危険サインの共有をセットにすることが前提です。

Q10. マンジャロは膵臓に負担をかけますか?

急性膵炎は電子添文で頻度0.1%未満と、まれな副作用として記載されています。ただし、起きたときは初動がすべてです。電子添文11.1.2には「嘔吐を伴う持続的な激しい腹痛等の異常が認められた場合には、本剤の投与を中止し、適切な処置を行うこと。また、膵炎と診断された場合は、再投与は行わないこと」と明記され、8.6でも初期症状があらわれた場合は使用を中止して速やかに医師の診断を受けるよう指導することが求められています(電子添文(2026年5月改訂・第10版)|PMDA)。膵炎の既往がある方は9.1.2に「膵炎の既往歴のある患者」として明記されているため、開始前に必ずお申し出ください。腹痛の相談を受けたときの対処は、Q6に記したとおりです。

Q11. マンジャロで気分が落ち込むことはありますか?

頻度はごく低いものの、気分に関する症状が報告された記録はあり、ゼロとは言えません。国内の市販直後調査 第2回中間結果(集計期間2023年4月18日〜6月18日/推定使用患者数は2023年5月31日時点で約35,400名、副作用498例616件)の副作用一覧に、抑うつ症状が非重篤で1件、悪夢が重篤で1件報告されています(マンジャロ市販直後調査 第2回中間結果|田辺三菱製薬)。市販直後調査は自発的な報告の集計であり発生頻度そのものは算出できませんが、報告件数としては例外的な少数です。食事量が落ちることで体調全体が下向きになる場合もあり、原因を一つに決めつけることはできません。気分の落ち込みや眠りの質の変化が続くときは、自己判断で続けたりやめたりせず、まずご相談ください。

Q12. マンジャロはなぜ気持ち悪くなるのでしょうか?

胃の内容物の排出を緩やかにする作用と、脳の食欲中枢への作用が重なるためです。食べたものが胃にとどまる時間が長くなり満腹感が続く——体重が減る仕組みそのものが、吐き気や胃の張りとして自覚されることがあります。実際に、症状は開始直後と増量した週に集中しやすく、体が慣れるにつれて落ち着いていく方が多いです。電子添文でも悪心・嘔吐・下痢・便秘・腹痛・消化不良・食欲減退は5%以上の頻度で挙げられており、珍しい反応ではありません(電子添文(2026年5月改訂・第10版)|PMDA)。当院では増量を急がず、食べ方の工夫や便秘薬・漢方薬の併用で軽減を図りながら進めます。症状が強いときは、無理に続けません。

Q13. マンジャロの失敗例にはどんなものがありますか?

多いのは、増量を急ぐ・体重だけを見る・出口を決めずに始める——この3つです。ひとつ、早く効かせたいと増量を急ぎ、消化器症状に耐えられず続けられなくなるパターン。ふたつ、体重の数字だけを追って食事量が落ちすぎ、栄養と筋肉まで削ってしまうパターン。みっつ、やめ方を決めずに始めて、中止後に体重が戻ってしまうパターンです。いずれも薬の失敗ではなく設計の失敗で、増量ペース、血液検査と体組成の確認、出口の設計を最初に決めておけば避けやすいものです。やめ方については本文の「やめた後はどうなるか」の節もあわせてご覧ください。

Q14. 手術や胃カメラの予定がある場合はどうすればよいですか?

必ず事前に、執刀医・麻酔科医・内視鏡の担当医へ、この薬を使っていることをお伝えください。2026年5月改訂の電子添文(第10版)では、9.1.6「全身麻酔又は深い鎮静下の患者」が新たに記載されました。そこには「GLP-1受容体作動薬又はGIP/GLP-1受容体作動薬を投与中の患者において、術前の絶食指示を遵守したにもかかわらず、全身麻酔又は深い鎮静下で誤嚥が生じた症例が報告されている。本剤は胃内容排出遅延作用があり、胃内容物残留リスクが高まるおそれがある」とあります(電子添文(2026年5月改訂・第10版)|PMDA)。つまり絶食を守っていても胃に内容物が残る可能性があるという注意で、休薬をどうするかは検査・手術を担当する医師と処方医が個別に判断する事柄です。自己判断で中断も継続もせず、予定が決まった時点でご連絡ください。

8. まとめ|「やばいかどうか」は、使い方で決まります

マンジャロは「薬そのものがやばい」のではなく、無管理・非正規入手・自己判断で使ったときにリスクが跳ね上がる薬です。 ここまで見てきた事実を一言にまとめると、これに尽きます。

マンジャロは、承認された2型糖尿病治療薬です。頻度の高い消化器症状と、まれで重い副作用があり、リスクを隠すことはできません。それでも、危険度の大半を決めるのは薬ではなく使い方の側——問診で適応を見極め、段階的に増量し、危険サインを知り、異変時に相談できる相手を持つこと。この記事で見てきた事実は、すべてこの一点に収れんします。

不安な方は、始める前に次の5つを確認してみてください。

「やばい」を避けるための5つの確認

  • □ 医師の問診で既往歴・併用薬を確認してもらったか
  • □ 国内正規流通の薬を、温度管理された状態で受け取れるか
  • □ 増量のペースを医師と相談しながら決められるか
  • □ 受診すべき危険サイン(激しい腹痛・低血糖症状など)を教わったか
  • □ 副作用が出たとき、すぐ相談できる窓口があるか

ひとつでも「いいえ」があるなら、その入手方法・使い方は見直すサインです。当院では、糖尿病専門医が1,000例以上の処方経験をもとに、適応の見極めから副作用のサポート(漢方併用を含む)、やめ方の設計までを一貫して診ています。副作用が怖くて迷っている方、過去の病気や飲んでいる薬のために使えるか不安な方は、薬を手に入れる前に、まず診察でご自身が使えるかどうかを確かめるのが安全です。「怖い」と感じている方こそ、その不安を診察の場でそのままぶつけてください。

ご利用にあたってのご注意 痩身目的でのマンジャロ使用は適応外・自由診療であり、副作用被害救済制度の対象外となる場合があります。効果や副作用の出方には個人差があります。費用・リスク・標準治療(食事・運動)との違いを理解したうえで、医師とよく相談して決めてください。

マンジャロのオンライン診療はこちら →

監修者

監修医 小林正敬(まさぼ内科・糖尿病クリニック飯田橋院 院長/日本糖尿病学会 糖尿病専門医)

小林 正敬(こばやし まさたか)|まさぼ内科・糖尿病クリニック飯田橋院(東京・飯田橋/糖尿病内科・代謝内分泌内科・内科)代表理事兼院長。日本糖尿病学会 糖尿病専門医(第06341号)、日本内科学会 総合内科専門医(第022910号)、日本糖尿病協会療養指導医、日本東洋医学会所属。糖尿病・代謝・内分泌を専門とし、GLP-1/GIP受容体作動薬を用いた治療と漢方診療に対応しています。院長紹介はこちら (監修日・最終更新:2026年7月30日)

関連ページマンジャロ オンライン診療(料金・申込)マンジャロのオンライン購入|個人輸入の危険と正規診療の違い血液検査のご案内糖尿病の診療

参考・出典マンジャロ皮下注 添付文書(日本イーライリリー)GLP-1受容体作動薬およびGIP/GLP-1受容体作動薬の適応外使用に関する日本糖尿病学会の見解痩身目的等のオンライン診療トラブル(国民生活センター・2023年12月20日)医薬品等を海外から購入しようとされる方へ(厚生労働省)医薬品副作用被害救済制度(PMDA)MHRA updates guidance for GLP-1 prescribers and patients(英国MHRA・2026年1月29日)英国のチルゼパチド使用後死亡例の報道(Forbes・2024年11月9日)チルゼパチド中止後の体重再増加 SURMOUNT-4(JAMA, 2024) – 東京都によるSNS無許可販売への警告(J-CAST日本ネット経済新聞) – マンジャロ無許可販売での書類送検(日本経済新聞時事通信) – 厚生労働大臣「個人間売買は違法」発言・2026年6月5日(毎日新聞産経新聞) – マンジャロ市販直後調査 最終結果(2024年1月)|日本イーライリリー/田辺三菱製薬マンジャロ市販直後調査 第2回中間結果(2023年7月)|田辺三菱製薬マンジャロ®皮下注に関する重要なお知らせ(日本糖尿病学会・2023年12月4日)マンジャロ皮下注アテオス 電子添文(2026年5月改訂・第10版)|PMDAGLP-1受容体作動薬及びGIP/GLP-1受容体作動薬の適正使用について(厚生労働省・2026年6月16日)GLP-1アゴニスト作用を有する薬剤の「使用上の注意」の改訂について(PMDA・2025年7月30日)

公式SNSで最新情報を発信しています

目次